ある日、母がくも膜下出血の診断を受けた。
それからひと月ほどたち、リハビリ病院への転院の話が出ている。
その間、病状に一喜一憂し、仕事と仲間と友人に助けられながらなんとかやって来た。
こんな気持ちだったんだ
ここから彼らは立ち上がってきたんだ
仕事で訪問し、ご利用者やご家族の話を聞きながら、再び彼らの凄さを思い知る。
分かりたいと思って「きいて」いたはずだった。
年をとって、同じ体験をして、やっと
彼らの言葉や表情に思いが馳せられるようになれるかも…と。
いやいや、個別性があるのだから気を付けなければ…と。
「慣れない父との二人暮らしはギクシャクしていますが
何とかひと月たちましたよ。」
短い面会時間に目を覚ましている事は稀な母に
小さな声で伝えると、ほんの少し、母の口角が上がった。
58歳のケアマネ