師走の日曜日。サンプラザで今年35回目の第九ひろしまが開催されました。
2020年からはコロナの影響で中断。昨年より再開している恒例の行事です。
10月の日曜日。私が担当させていただいているK子様(84)の自宅を訪問。大阪にお住まいの娘さんが来られていました。
「母が第九ひろしまに参加したいと言っている。何とか叶えられませんか?」数年前より認知症になられ、一人では外出できません。
小さい頃はやせっぽちで運動もできない子どもだったそうです。小学校の先生に勧められて始めた合唱。
そろばん教室の先生をされながら、合唱と本の読み聞かせを続けておられたそうです。
前日のリハーサルと当日は娘さんが付き添い、数回ある練習はお孫さんの送迎でヘルパーさんが付き添いました。
そのヘルパーさんからK子様が第1回目から参加しておられた事を知りました。
3年間眠っていた白いブラウスと黒いスカート。3日前には美容院へ行き準備万端本番を迎えました。
本番から一週間後のクリスマスイヴにテレビ放送がありました。
無事に歌い終え、喜びで涙を流されるK子様がきらきらと輝いています。
番組のサブタイトルはK子様の言葉 “やめないよ” 。
また来年もきっと、あの涙と笑顔が輝きますように。
江波居宅