Aさん(75歳、女性)は長年、病院で調理の仕事に携わり、定年後はヘルパーの資格を取得し、10年ほど家政婦さんのお仕事をされていました。
当時、担当した先はいわゆる『ゴミ屋敷』・・・
だいぶ時間がかかったけど毎日コツコツと掃除をして、最終的にはベッド上の生活から車椅子に乗って食事ができるように環境を整えたそうです。
『“ありがとね~、大変だったでしょう”と利用者さんから言われ“いえいえ、ここをちょっと動かしただけですよ”と答えたけども、日々の介護の合間にするので本当はすごく大変だった、今考えてもよくあそこまでやったな~と思う。でもすごく喜んでもらえて、季節を感じながらベッドから離れて食事をしてもらえるようになって、とても嬉しかった』
と懐かしそうに笑顔で話して下さいました。
Aさんは昨年、腰部脊柱管狭窄症で手術をされました。
料理をすることが好きでしたが、入院をしてから体力が落ち、今まで難なくできていたことすべてに時間がかかり、できんようになったと言われていました。
そんなAさんですが、先月お孫さんが遊びに来られ、久しぶりに料理の腕を振るわれたそうです。『できんと思っていたけど、できたね~、4品くらい作ったよ』と。
その中でお孫さんから好評だった『おむすび』のレシピを教えて頂きました。
①ごはんに塩を少々振る。中の具は好みのものを用意。
②ごま油 少々、しょうゆ、いりごま(多い方が美味しい)、味の素 少々を合わせたもの手に取り握る。
某お弁当屋のおむすびのようになり、水を使ってむすばないので傷みにくいそうです。
今からの季節にはぴったりかもしれません。
お孫さんに食べさせてあげたい思いからできた料理、またAさんの温かい優しい手で握ったおむすびは、また格別に美味しいだろうな~と感じました。